1日自動車保険の基礎知識
1日自動車保険と法人名義の車

1日自動車保険は法人名義の車には使えない!代替手段を紹介

法人名義の車は1日自動車保険に契約できない

1日自動車保険は、他人のクルマを借りて運転する際に加入する自動車保険です。

しかし、どんな車でも加入できるわけではなく、法人名義の車などは補償の対象外になってしまうことがほとんどです。

会社が購入した社用車を1日だけ借りて運転したい。他人の車を借りようと思ったが法人名義になっていた。

こんな場合、1日自動車保険では補償されないとなると、どうすればよいのでしょうか。

1日自動車保険法人名義の車は対象外ですが、例外としていくつかのケースでは補償の対象となることがあります

今回は、法人名義の車に1日自動車保険が適用される例外ケースと、1日自動車保険が使えなかった場合の代替案を解説します。

法人名義の車を運転する機会のある方は、ぜひチェックしてみてください。

1日自動車保険は法人名義の車両では利用できないのが一般的

法人名義の車両は1日自動車保険には契約できない法人名義の車両は1日自動車保険には契約できない

保険会社が販売している様々な保険商品は、個人だけでなく法人名義でも加入できるケースが多いです。

そのため、最安800円から申し込みが可能な1日自動車保険を法人名義の車に利用したいと思っている人もいると思います。

しかし、通常の自動車保険の場合は法人名義で契約が可能なケースがほとんどですが、残念ながら1日自動車保険法人名義の車は対象外となっています

セブンイレブンから申し込み可能な三井住友海上の1day保険や、契約者数トップを誇る東京海上日動火災のちょいのり保険など、現在販売されている1日自動車保険は、あくまで個人向けの商品となっています。

そのため、法人名義で登録されている車を使って起こした事故による治療、賠償、修理などに関する費用は、法人が加入している自賠責保険や任意保険を利用することになります。

ただし、全ての法人名義の車が対象外というわけではなく、なかには例外規定が設けられているケースがあります。

今回は、法人名義の車でも1日自動車保険に加入できるケースを解説していきます。

例外1:車の使用者欄が個人名の場合

もし自分が借りて使う車が「所有権留保条項付売買契約」で購入されていた場合、自動車車検証の所有者欄には自動車販売店などの法人名が記載され、使用者欄に個人名が記載されていることがあります。

このように、車の使用者欄に個人名が記載されている場合には、1日自動車保険の対象となります

所有権留保条項付売買契約とは

所有権留保条項付売買契約とは、ディーラーなどの販売店が自動車を販売する際、現金一括ではなくローン契約などを利用して販売契約を行った場合に適用される契約方法です。

販売代金の全額領収までの間は所有権を購入者に移行せずに、販売店(法人)に留保するのです。

車をローン等で購入するケースは多く、法人名義とはいえ実質的に個人で利用・所有しているという扱いになり、例外として1日自動車保険が適用されています

中古車を購入した場合には「名義残り」があることも

また、車の所有者欄が法人名義となっている場合として、「名義残り」のケースがあります。

名義残りとは、中古車を購入した際に自動車車検証の所有者欄の名義が前所持者のまま続いてしまっている状態を指します。

この場合も、実質的な使用者および占有者は現所有者の個人となるため、1日自動車保険の申し込みが可能です。

例外2:賃借契約で個人が借りた車の場合

1年以上の期間とする賃借契約で借り入れた車については、法人名義であっても1日自動車保険が適用されます

たとえば、リース契約によって車を所有している場合、自動車検査証の所有者欄はリース業者などの法人名義になっているでしょう。しかし、使用者欄は借入して実際に車を利用している個人名が記載されている場合があります。

このようなケースでは、1日自動車保険に加入することが可能です。

以上のことをまとめると、自動車検査証の所有者欄が法人名義であっても、使用者欄に個人名が記載されている車を借りて運転する場合には、1日自動車保険に加入できる可能性が高いということです。

ケース 所有者欄 使用者欄 1日
自動車
保険
通常 法人 法人 対象外
所有権
留保条項付
売買契約
法人 個人 対象の
可能性あり
名義残り 法人 個人 対象の
可能性あり
1年以上の
賃借契約
法人 個人 対象の
可能性あり

レンタカー・カーシェアリングサービスの車も対象外

レンタカー・カーシェアリングも対象外レンタカー・カーシェアリングも対象外

法人名義で所有されている車として、レンタカーやカーシェアリングサービスの車があります。

レンタカーやカーシェアリングサービスの車は、さきほど解説した「賃借契約で個人が借りた車」に含まれると思う方もいるかも知れませんが、1日自動車保険の対象外になります。

これは1日自動車保険を取り扱うすべての保険会社に共通することですが、レンタカーやカーシェアリングサービスの車は1日自動車保険に契約できないことが約款で定められています。

そもそも、レンタカーやカーシェアリングサービスで借りることができる車には、レンタル業者側が専用の保険を用意しています。

レンタル契約と同じタイミングで用意された保険に契約する、もしくは利用料金のなかにすでに保険料が含まれていることが一般的です。そのため、自分で保険加入の準備をする必要はありません。

1日自動車保険以外の選択肢はある?

1日自動車保険以外の選択肢とは1日自動車保険以外の選択肢とは

ここまで解説してきた例外からはずれる法人名義の車では、1日自動車保険の対象外です。

たとえば、会社が所有している社用車・営業車を借りて運転する場合などは、1日自動車保険には契約できません。

では、もし法人名義の車を借りて運転する機会がある場合にはどうすればいいのでしょうか?

この場合、次の2つが対策法として考えられます。

対策1:ドライバー保険を検討する

1日自動車保険と似たような商品として、ドライバー保険という商品があります

ドライバー保険は契約期間が1年と長く、対人・対物への手厚い補償を得ることができます。また、等級制度があるため、一定期間継続して無事故でいれば保険料が割引されます。

ただし、ドライバー保険では法人名義の車も契約の対象となりますが、親や友人の車を借りる場合よりも補償対象や条件が厳しく制限されています

たとえば、ドライバー保険で人気の高い三井住友海上の商品では、法人が業務で使用する自動車で生じた対人・対物賠償事故、人身賠償事故については補償されないことになっています。

また、業務以外で法人名義の車を借りる場合でも、「記名被保険者が役員となっている法人所有の自動車」はドライバー保険の補償対象外。

しかし、記名被保険者が役員ではなく従業員などであれば、ドライバー保険に加入できる可能性は非常に高いです。

申し込む前に一度保険代理店または保険会社のコールセンターに相談してみると良いでしょう。

ドライバー保険には車両補償がない点に注意

ドライバー保険に加入する際には、1日自動車保険のように車両補償を付帯できない点に注意が必要です。

車両補償とは、借りた車で事故を起こした際、運転していた車が破損した場合に修理費を補償するものです。万が一車の損害が大きかった場合、修理に必要な金銭的負担を抑えることができますが、ドライバー保険の場合は付帯することができません。

また、ドライバー保険は契約期間も1日単位ではなく1年単位となっているので、保険料も高額化してしまい金額的にデメリットとなることもあります。

法人名義の車を借りて運転する機会が多い場合は1年契約でも問題ないですが、数日借りて運転するためだけにドライバー保険を契約するのは費用対効果が良くありません。

対策2:本人の自動車保険で他車運転特約が有効か確認

もし自分が自動車保険に加入している場合、他車運転特約が付いている可能性があります。

他車運転特約とは、自分が借りた車を運転している際に事故を起こしてしまった場合、運転者本人が加入している保険を使用して補償を受けることができる特約です。

最近は他車運転特約を基本補償にしているプランも多いので、自分が加入している自動車保険に自動的に付帯されていることも珍しくありません。

自分の自動車保険に車両保険を付けている場合は、借りた車の車両復旧費用として保険金が支給されることもあるので、1日自動車保険の代用として利用できます

ただし、法人名義の車は他車運転特約の補償対象外としている自動車保険も多いので、事前に約款の確認やコールセンターへの問い合わせを利用しておくと安心です。

また、借りた車で事故を起こし自分の自動車保険を使った場合には、自分の自動車保険は翌年度から等級は下がり、保険料が上がってしまう点にも注意が必要です。

以上をまとめると、やはり法人名義の車を借りて運転する場合は、補償の制約が多いことが分かります。

社用車はそもそも会社の業務目的で利用する車のため、私用目的で借りて利用することには向いていません。

また、法人名義の車には会社がきちんと自動車保険に加入して保険をかけることが基本です。1日自動車保険を活用して、社員が使うときだけ保険に加入するというのはできないので、注意しましょう。

まとめ:法人名義の車は自動車保険もしくはドライバー保険を検討

まとめ:法人名義の車は通常の自動車保険でカバーまとめ:法人名義の車は通常の自動車保険でカバー

今回は、法人名義の車に対して1日自動車保険は利用できるかという点を解説しました。

法人名義の車では、1日自動車保険には契約できないケースがほとんどです。

所有者は法人名義であるものの、実質的な車の使用者欄が個人である、または賃借契約(リース契約)で個人が借りた車の場合は1日自動車保険に契約できますが、その他のケースでは使えないことを覚えておきましょう。

また、個人が借りる法人名義の車の中でも、レンタカーやカーシェアリングサービスの車は1日自動車保険の契約対象外です。

法人名義の車には、1日自動車保険などで使う時々に応じて保険をかけるのではなく、会社がきちんと法人向けの自動車保険に加入しましょう。

そしてもし社員が私用目的で法人名義の車を借りる際には、自分が加入している自動車保険に「他車運転特約」を付帯させ、事故の際に自分の自動車保険を使えるようにしておくようにしましょう。

万が一の際にしっかりした補償を得るためにも、運転前に保険契約の有無や補償内容を確認しておいてください。