1日自動車保険による補てんが重要
自賠責保険とは
自賠責保険とは「自動車損害賠償責任保険」の略称であり、自動車やバイクを運転する際に法律によって加入が義務付けられている保険です。
各損害保険会社で取り扱われている自賠責保険だけでなく、全労災やJA共済などの共済組合が取り扱う「自賠責共済」もありますが基本的に内容は同じとなっています。
1日保険や自動車保険が「任意保険」と呼ばれるの対し、自賠責保険は加入が義務付けられているため「強制保険」と呼ばれています。
なお、自賠責保険に加入しないで自動車を運転した場合には「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」「免許停止処分(違反点数6点)」など科され、車内に自賠責保険証を保管していないだけでも「30万円以下の罰金」が科されるので注意しましょう。
自賠責保険があるから1日自動車保険などの任意保険は必要ないと思っている人がいるかもしれないので、ここでは自賠責保険について詳しく解説していきます。
自賠責保険の保険料
自賠責保険は強制加入であるものの他の任意保険と同様に補償が受けられるため、加入の際には保険料の支払いが発生します。
なお、保険料については車の種類や保険期間によって異なってきますが、各保険会社で扱っている自賠責保険は補償内容が同一であるため、どこで加入しても保険料は同じです。
通常は、車検を行うごとに自賠責保険に加入するパターンが一般的であるため、任意保険のように12ヵ月ごと更新というよりは、36か月あるいは24か月支払の人が多いです。
ただし、自身の自賠責保険の加入状況を確認した際に37カ月あるいは25カ月で加入している人が多いかと思います。
これは、車検と自賠責保険の期間満了の時期が異なるからです。
車検の有効期間満了は夜24時までであるいっぽう、自賠責保険の有効期間満了は正午12時と12時間の差が生じています。
車検が受けられる条件の1つとして自賠責保険の加入があるため、車検と自賠責保険が同日の有効期間で契約していると、自賠責保険が先に切れて車検が受けれなくなってしまうリスクがあります。
しかも、自賠責保険の契約期間は1日単位ではなく月単位での契約となるため、プラス1ヶ月で契約している場合が多いことになります。
2018年度自賠責保険料
自家用 乗用自動車 |
軽自動車 (検査対象車) |
|
---|---|---|
24カ月 | 25,830円 | 25,070円 |
25カ月 | 26,680円 | 25,880円 |
36カ月 | 35,950円 | 34,820円 |
37カ月 | 36,780円 | 35,610円 |
自賠責の補償内容
自賠責保険は、被害者救済の目的とした保険でありますが、補償内容は限定的であるため、決して十分とは言えません。
また、補償範囲は、事故に遭った被害者の死亡や後遺障害並びに後遺障害による損害(対人賠償)しか対象にしておらず、他人の不動産(対物賠償)や自分の損害(搭乗者傷害など)については補償が受けられません。
しかも、被害者に支給される保険金額も少額であるため、自賠責の保険金だけではカバーできない損害額になることも珍しくありません。
したがって、損害保険会社各社から販売されている自動車保険や1日保険に加入してリスクに備えることが重要となります。
傷害 | 限度額120万円 |
---|---|
後遺障害 | 後遺障害の程度により 最高4,000万円まで支払 |
死亡 | 限度額3,000万円 |
他人の車も補償対象?
車を運転する際に加入が義務付けられている自賠責保険なので、借りた車はもちろん自賠責保険に加入していることでしょう。
ただし、借りて運転する人は車の所有者ではないので自賠責保険の補償範囲に含まれるかどうかが問題となります。
そこで補償範囲を調べてみると自賠責保険の被保険者は「保有者および運転者」となっているので、車を借りて運転する人も補償を受けることが可能です。
したがって、他人の車を運転して事故を起こした場合、最低限の補償を受けることが可能ですが、金額的には十分ではないうえに、対物賠償や車両補償そして運転者・搭乗者の補償も受けられません。
以上より、自賠責保険の補償が他人の車を運転した場合でも対象となると言っても、1日自動車保険でリスクに備えておくことが重要となります。
特に自分の車ではないので、キズを付けた場合にも貸主の自動車保険を使って等級を下げることのないよう、車両補償まで付帯した1日自動車保険の加入に努めましょう。