1日自動車保険の基礎知識
500円で加入できる1日自動車保険とは?ちょいのり運転に便利な特徴を紹介

500円で加入できる1日自動車保険の商品はあるかを紹介

ライフスタイルの変化に伴い、保険会社が提供するプラン(商品)も多様化しています。ここでは保険料が500円前後で加入できる少額保険を取り上げ、その中でもニーズの多い1日自動車保険について詳しく解説していきます。

500円保険はどんな種類があるの?

500円保険はどんな種類があるの?

少額の保険料で加入できる各種保険が注目されています。その中でも保険料500円前後で加入できる代表的な保険を挙げてみましょう。

500円保険:1日レジャー保険

1日レジャー保険は、家族や友人などとレジャー・スポーツをする際のケガなどに備える保険で、1日500円から加入することができます。

三井住友海上の「1DAYレジャー保険」には、海水欲やバーベキューなどの「レジャー全般プラン」をはじめ、「ハイキング・軽登山向けプラン」「ゴルフ向けプラン」「スキー・スノボ向けプラン」があります。

個人でもグループ(6名まで)でも加入することが可能。500円を支払うことでアウトドアイベントを存分に楽しむことができます。

500円以内の保険:日常生活賠償保険(個人賠償責任保険)

日常生活賠償保険(個人賠償保険)は、「他人のものを破損してしまった」「子供が遊んでいて隣家のガラスを割った」「飼い犬が他人にかみついて負傷させた」「ショッピング中、商品を壊してしまった」「自転車で走行中、歩行者にぶつかって大けがをさせた」など、日常生活で起こる事故よって法律上の損害賠償責任を負ったときに、損害が補償される保険です。

子供が起こす事故が心配という方におすすめなのが国民共済の「個人賠償プラス」。月々の保険料が200円で、ケンカ以外のトラブルで発生した損害賠償はほとんどカバーしてもらえます。

子供に限らず家族のだれかが誤って他人を死傷させて法律上の責任を負うときは、最高3億円の保険金(共済金)が支払われます。

500円以内の保険:自転車保険

近年、中学生や高校生が自転車走行中に歩行者と衝突する大事故を起こし、9千万円以上もの賠償を命じられる事例が相次いだことから、各自治体では「自転車保険加入の義務化」が進められています。

日本生命の個人賠償プラン「まるごとマモル」は、日常生活で起こり得る事故に備えるもので、この中の自転車保険は、自治体の自転車保険加入義務化条例に対応しています。

「まるごとマモル」の基本プランの保険料は月々わずか166円(年間保険料一時払い1,990円)で、国内での自転車事故に対して無制限で補償されます。

示談交渉も24時間365日対応してもらえるのも日本生命の自転車保険ならではのメリットです。

500円では利用不可!現在の1日自動車保険はいくら?

500円では利用不可!現在の1日自動車保険はいくら?

自分の車ではなく、友人や親などから車を借りて運転するときに利用できる「1日自動車保険」。この1日自動車保険も以前は保険料が500円でした。

しかし、消費税値上げに高齢ドライバーの自動車事故の増加が重なったことなどから、各損保会社で保険料の見直しが行われ、2021年1月より800円に値上げされました。

1日自動車保険の基本プランは800円にアップ

1日自動車保険の「ちょいのり保険」「1DAY保険」「ワンデーサポーター」「乗るピタ!」などは500円で入れたことからワンコイン保険と呼ばれていましたが、現在は800円になり、500円で加入できる1日自動車保険はありません(4つの1日自動車保険については次項で詳述)。

1日自動車保険の補償内容

1日自動車保険では下記のような項目が主な補償内容となりますが、取り扱っている保険会社によって名称や補償内容が異なるものもあります。

【1日自動車保険の補償内容一例】

対人賠償責任保険 他人を死傷させてしまった場合の補償。保険金額は無制限
対物賠償責任保険 他人の車や壁などを壊してしまった場合の補償。保険金額は無制限
対物超過修理費特約 事故の相手の車の修理費用が時価額を超えた場合の補償
搭乗者傷害特約 乗車中の事故で死傷した場合の補償
自損事故傷害特約 自損事故(相手方のいない事故)を起こして死傷したときの補償
ロードアシスト 車の故障などトラブルが起きた際の応急対応に関する補償
借用自動車の
復旧費用補償特約
事故で車が壊れた場合の補償
弁護士費用特約 車の事故による民事・刑事での弁護士費用等を補償
臨時被保険者に関する特約 複数人で運転する場合の補償
事故現場アシスト 事故発生から24時間のサポート

4社の1日自動車保険と特徴を紹介

4社の1日自動車保険と特徴を紹介

1日自動車保険のプランは3段階になっていて、ランクが上位のプランほど補償項目が多くなり、保険料も高額になります。

東京海上日動「ちょいのり保険」

保険料と補償内容 シンプルプラン レギュラープラン プレミアムプラン
保険料 800円 1,800円 2,600円
対人賠償
対物賠償
対物超過修理費特約
搭乗者傷害(一時金払)
自損事故傷害
ロードアシスト
事故現場アシスト
復旧費用補償特約(車両補償) 〇対象事故限定条件付(免責15万円) 〇(免責15万円)
弁護士費用等補償特約
臨時被保険者に関する特約 400円/1人~3人 900円/1人~3人 1,300円/1人~3人
加入方法 パソコン、スマホ、コンビニ
(ローソン、ミニストップ、ファミマ)

特徴

プレミアムプランには弁護士費用が付いているので、万一、交通事故で示談交渉をする事態になった場合でも安心です。

三井住友海上「1DAY保険(ワンディ保険)」

保険料と補償内容 エコノミープラン スタンダードプラン プレミアムプラン
保険料 800円 1,000円 2,500円
対人賠償
対物賠償 〇(免責5万円) 〇(免責5万円)
対物賠償超過修理費用特約
車両復旧費用保険(車両保険) 〇(免責15万円)
自損傷害
搭乗者傷害(入通院/一時金)
搭乗者傷害(死亡・後遺障害)
ロードサービス
事故現場アシスト
臨時被保険者に関する特約 1,120円/2人以上 1,400円/2人以上 3,500円/2人以上
加入方法 パソコン、スマホ、コンビニ
(セブンイレブン)

特徴

ワンデイ保険はロードサービスが充実しており、レッカー手配はもちろん、借りた車が走行不能になった場合は目的地や自宅までの移動もサポートしてもらえます。

あいおいニッセイ同和損保「ワンデーサポーター」

保険料と補償内容 エコノミープラン ベーシックプラン ワイドプラン
保険料 800円 1,000円 2,500円
対人賠償
対物賠償 〇(免責5万円) 〇(免責5万円)
対物超過修理費用
自損事故傷害
搭乗者傷害(死亡・後遺障害)
搭乗者傷害(入通院一時金)
車両復旧費用(車両補償) 〇(免責15万円)
ロードアシスタンス
臨時被保険者に関する特約 320円/1人~4人 400円/1人~4人 1,000円/1人~4人
加入方法 パソコン、スマホ

特徴

3つのプランに共通する「緊急時サービス費用」は、事故や故障などでレッカー牽引・搬送されたときの費用が補償されるものです。

損保ジャパン「乗るピタ!」

保険料と補償内容 ライトプラン 基本プラン 安心プラン
保険料 12時間/800円 12時間/2,150円 12時間/2,800円
24時間/1,000円 24時間/2,700円 24時間/3,500円
対人賠償
対物賠償
対物全損時修理差額費用特約
人身傷害
人身傷害死亡・後遺障害
搭乗者傷害
自損事故傷害
車両復旧費用(車両保険) 〇(免責15万円) 〇(免責15万円)
ロードアシスタンス
事故時代車費用特約
臨時被保険者に関する特約 12時間/400円 12時間/1,100円 12時間1,400円
24時間/500円 24時間/1,350円 24時間/1,750円
加入方法 パソコン、スマホ、LINE

特徴

24時間単位だけでなく、12時間単位で加入できるのは現在のところ「乗るピタ!」のみ。半日程度で済む用事で借りた車を運転するときなどに便利です。

1日自動車保険は値上げされてもおすすめ?

1日自動車保険は値上げされてもおすすめ?

500円から800円にアップした1日自動車保険。300円の差は小さくはありませんが、次のようなメリットがあるので、他人の車を運転する際は1日自動車保険に加入することを強くおすすめします。

一般の自動車保険と同等の補償が得られる

12時間や24時間単位で契約できる1日自動車保険は、1年単位で契約する一般的な自動車保険に比べると補償項目が少なくて保険金額も低いのでは?と思いがちですが、そのようなことはありません。

基本プランは確かに補償項目は少なくなりますが、ランクが上のプランは同等の補償を受けることができます。

なお、1日自動車保険の対象は「運転中の事故」に限定されるため、駐車中や停車中の事故、盗難などに遭った場合は対象外であることを心得ておきましょう。

各種割引サービスがあるのでお得に利用できる

保険会社によりますが、1日自動車保険の利用回数が多くなると保険料が安くなる割引制度が設けられているところもあります。

例えば、三井住友海上の「1DAY保険」では、初回は800円で2回目の保険料は770円になります。

また、自分の車を購入して自動車保険を新たに契約する場合、1日自動車保険の利用履歴のある方は割引が適用されることがあります。

東京海上日動の「ちょいのり保険」は、利用回数が多くなるほど割引率が大きくなり、保険料が最大で20%割引になるケースもあります。

スマホやコンビニから簡単に加入できる

1日自動車保険のメリットの1つに、スマホからネット加入できることや出先のコンビニ(ローソンやセブンイレブン)で手続きできる手軽さがあります。

急に友人の車を運転することになったときなども、当日、スマホから契約することができるので便利です。

ただし、車両復活費用(車両保険)が付いているプランに加入する場合は、事前登録が必要なため、運転する日の最低7日前までには加入申し込みをして登録を済ませなければなりません。

まとめ

クルマを借りて運転するときの一日自動車保険は、ふだん運転する機会のないペーパードライバーにとっても心強い味方です。

各社が提供している1日自動車保険は、スマホやパソコンからネット加入できるタイプとコンビニで加入できるタイプがあり、補償内容も保険会社によって多少異なります。

1日だけの運転だからと安易に加入するのではなく、運転する状況や同行者の顔ぶれなどを考慮し、各社の1日自動車保険を比較して、自分に最も合うプランを選ぶようにしましょう。