1日自動車保険の基礎知識
1日自動車保険の身近な事故と補償例

実際に1日自動車保険が役立った事故例を紹介

1日自動車保険の補償内容について

1日自動車保険の補償内容について
1日自動車保険は1日あたりの保険料が500円~2,000円程度で加入できる自動車保険で、契約期間が最大でも7日間となっています。

保険料は安いイメージがあると思いますが、補償内容は通常の自動車保険と遜色ない充実した内容となっています。

例えば、1日自動車保険の補償内容は基本となる対人・賠償補償についてはすべて無制限の補償となっています。

事故により加害者となった場合は1億円を上回る損害賠償を請求されることも珍しくないので無制限だと安心感が違います。

また、保険の対象の車に搭乗している搭乗者に対しての補償として、搭乗者傷害特約が付帯されています。

搭乗者傷害特約の補償額は各社異なりますが、最低限の補償は十分に確保されていますので安心です。

更に、ロードサービスを始めとしたサービスも付帯されているので、万が一事故をしたときも様々なサービスを受けることができます。

借りた車への補償としては、各社で車両保険をセットできる補償プランを販売しています。

現在、1日自動車保険は東京海上日動火災「ちょいのり保険」、三井住友海上(MS&AD)「1DAY保険」、あいおいニッセイ同和損保(MS&AD )「ワンデーサポーター」の3社となっています。

500円で加入できる基本補償のみのプランと1,500円で加入できる基本補償+車両復旧費用補償は3社共通となっていますが、三井住友海上だけが基本補償+車両復旧費用補償に車内手荷物の補償をプラスした1,800円も販売しています。

車両復旧費用とは、通常の自動車保険の車両保険にあたる補償となっています。

車両復旧費用の補償額には各社上限があり、自己負担額が発生する免責金額が各社設定されています。

似たような商品でドライバー保険がありますが、ドライバー保険は車両復旧費用がないため1日自動車保険のほうが魅力です。

補償や保険料は各社で大きな差はないですが、ロードサービスに付随したサービス内容にはわずかな違いがあるようです。

保険商品
ちょいのり保険
1DAY保険
ワンデーサポーター
保険会社 東京海上日動火災 三井住友海上 あいおいニッセイ同和損保
対人・対物賠償 無制限 無制限 無制限
搭乗者傷害 1000万円/
一時金
1000万円/
一時金
1000万円/
一時金
車両復旧費用
(免責金額)
上限300万円
(15万円)
上限300万円
(15万円または
10万円)
上限300万円
(15万円)
車両手荷物補償 なし 10万円 なし

身近な事故と補償例

1日自動車保険に加入して実際に事故をした場合1日、どのように補償されるのか身近な事故を例にみてみましょう。

事故をした時に1日自動車保険の補償を受ける場合も通常の自動車保険と同様に保険会社に事故受付をし、相手がいる場合は過失割合に応じて事故処理が行われます。

クルマ運転中の事故のケース

例えば、運転中車同士が衝突し、相手と自分の車にそれぞれキズがついた場合、相手の車に対しての補償は1日自動車保険の対物賠償補償から過失割合に応じて支払われます。

しかし、借りている車の修理代金に関しては、相手の保険会社から支払われる保険金は相手の過失割合に応じた金額のみとなるため、500円の基本補償のみのプランに加入していた場合、足りない分は自己負担しなければなりません。

いっぽう、1,500円の基本補償+車両復旧費用補償プランの1日自動車保険に加入していた場合は、車両復旧費用補償から上限内の金額まで補償されるので、自己負担は免責金額のみで済ませることができます。

では、この事故で相手の車に乗っていた人や、借りている車を運転している自分や搭乗している人にケガがあった場合どうなるのでしょうか。

この場合、相手の車に乗っていた人のケガに関しては、対人賠償補償から過失割合に応じて支払われます。

一方で、借りている車を運転している自分や搭乗している人のケガに対しては、相手の保険会社から過失割合に応じて保険金が支払われますが、足りない分は基本補償として付帯している搭乗者傷害特約から1人あたり1000万円を上限として治療費が支払われます

通常の自動車保険には人身傷害補償が付帯できるため手厚い補償が受けられますが、搭乗者傷害特約は最低限の補償内容に留まってしまいます。

程度の軽い事故であれば充分に補償できますが、万が一亡くなった場合や重度の後遺障害が残ったなどの場合、補償は薄いということは覚えておいたほうがいいでしょう。